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天神ビッグバンの現在地:再開発の計画・進捗と周辺エリアの変化

In this article

記事の要点

  1. 天神ビッグバンの概要と2025年時点の進捗
  2. 高さ制限緩和とビル建替えの条件
  3. 周辺エリアで確認できる人流と施設供給の変化
  4. 既存物件のホテル転用で確認したい視点
  5. 現在地を確認するための公表資料と注意点

天神ビッグバンとは何か

福岡市の都心部で、10年にわたり続いている大規模な都市再開発があります。天神ビッグバン——福岡市が2015年に打ち出した、都心の民間ビル建替えを誘導するプロジェクトです。 本記事では、制度の仕組み、進捗の現在地、周辺エリアへの影響を、福岡市の公表資料に基づいて整理します。

天神ビッグバンは、福岡市が2015年に打ち出した都市再開発プロジェクトです。 福岡最大の商業地・天神交差点を中心とした半径約500メートル圏内において、 航空法による高さ制限を緩和し、老朽化したビルの建替えを促進するという、 福岡市が対象範囲と要件を定めた都市更新の取り組みです。

福岡市は、建替え見込み、雇用創出、経済波及効果などの試算を公表しています。 これらは計画全体の規模を理解するための情報であり、個別の不動産価格や需要を保証するものではありません。 市況を確認する際は、完成済み施設、今後の計画、用途別の供給状況を分けて見る必要があります。

約500m

対象エリア

天神交差点を中心とした半径

約120棟

建替え見込み

2030年代までの最終計画(福岡市)

約59,000人

雇用創出

福岡市試算・11プロジェクト全面開業時

約1.89兆円

経済波及効果

福岡市試算・全面開業時の累計見込み

高さ制限の緩和で何が変わったか

天神エリアが長年抱えてきた制約は、建物の高さでした。 福岡空港が市中心部から近距離にあるため、航空法により建物の高さが制限され、 天神エリアのビルは7〜8階建てが主流となっていました。 床面積を広く取れないことが、老朽化したビルの建替えが進みにくい一因とされてきました。

天神ビッグバンでは、一定の条件を満たす建替え案件について従来の高さ制限を緩和し、 条件により最大115メートル程度までの建築が可能となりました(福岡市公表資料)。 これにより、15階建て以上の高層ビルの建設が現実的な選択肢となり、 1棟あたりに確保できる延床面積が変わり、オフィスフロアの供給計画にも影響しています。

Before

7-8階建て

航空法の高さ制限により、低層ビルが主流

After

15階以上

航空法制限の緩和で最大約115m程度まで。大規模オフィス供給が可能に

延床面積の拡大は、大規模オフィスの供給計画に直結します。 福岡市は国家戦略特区(グローバル創業・雇用創出特区)にも指定されており、 企業誘致の施策と再開発が並行して進められています。

具体的に何が変わったのか

天神ビッグバンは構想段階のプロジェクトではありません。 福岡市の公表では、対象エリアで竣工したビルは85棟(2026年3月末時点)にのぼり、 代表的な大型プロジェクトも順次完成しています。

2021年9月竣工

天神ビジネスセンター

天神セントラルプレイス(旧福岡三和ビル)を中心とした周辺ビル一体の建替えで整備された地上19階建て・高さ約89mのオフィスビル。天神ビッグバンの認定第1号プロジェクトとして竣工し、天神エリアの新たな大規模オフィス供給の先駆けとなりました。

2022年12月竣工/2023年開業

福岡大名ガーデンシティ

旧大名小学校などの跡地を活用した複合施設。地上25階・高さ約111mのタワーを中心とし、2023年4月から商業フロアが段階開業、2023年6月にはザ・リッツ・カールトン福岡も開業。天神・大名エリアの都市機能を構成する施設の一つです。

進行中

天神一丁目15・16番街区

旧天神コアの跡地を含む再開発。商業・オフィス・文化機能を兼ね備えた複合施設として計画されており、完成後は天神の新たなランドマークとなる見込みです。

周辺エリアで確認できる変化

天神ビッグバンの影響は天神エリアにとどまりません。 再開発に伴う人流や施設構成の変化は、周辺エリアの市況にも関係します。 天神だけでなく、隣接エリアの公表データや供給状況も合わせて確認する必要があります。

地価上昇

大名エリア

天神に隣接し、旧大名小学校跡地では福岡大名ガーデンシティが開業しました。商業・宿泊施設の供給状況と、地価公示の地点別推移を分けて確認できます。

賃料上昇

赤坂・薬院

天神から1〜2駅に位置する住宅エリアです。賃料や空室の状況は駅距離、築年数、住戸タイプによって異なるため、個別の公開情報を確認する必要があります。

ホテル需要

中洲エリア

天神と博多をつなぐ中間に位置し、歓楽街として全国的に知られています。近年はビジネスホテルの新規開発も見られ、宿泊施設の供給と需要の両面を確認すべきエリアです。

相乗効果

博多駅周辺

博多駅周辺では、博多コネクティッドにより2028年末までに約30棟の建替えが予定されています。天神と博多で進む計画は対象期間と制度が異なるため、それぞれの公表資料で確認する必要があります。

既存物件のホテル転用で確認したい視点

再開発による人流の変化と訪日客の回復を背景に、福岡では既存のオフィスや住宅を 宿泊施設へ転用する動きも見られます。 賃貸物件が月額賃料を前提とするのに対し、宿泊施設は日次の単価と稼働率で収益が決まるため、 需要が強い局面では収益性が高まる可能性がある一方、需要変動の影響も受けやすくなります。

転用には制度面の確認も欠かせません。 ホテル・旅館として営業するには旅館業法に基づく営業許可と構造設備・衛生基準への適合が必要であり、 建物の用途変更や消防設備の整備を伴う場合があります(厚生労働省)。 住宅を活用する住宅宿泊事業(民泊)には、年間180日の営業日数制限があります(観光庁)。

宿泊施設への転用を伴う物件を確認する際は、 立地が駅や観光動線とどう結びついているか、どのような運営体制を予定しているか、 転用に必要な工事と許認可がどのように計画されているかを、 開示資料から読み取ることが判断材料になります。

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今の時点で動向を確認する理由

天神ビッグバンは開始から時間が経っていますが、すべての計画が完了したわけではありません。 現在地を把握するには、完成済みの施設と今後の計画を分けて確認する必要があります。

天神ビッグバンは2026年末を当面の区切りとしつつ、2030年代まで約120棟の建替えを見込む計画です。 博多コネクティッドを含めた福岡の再開発は2028年以降も続きます。 つまり、福岡の都市刷新はまだ「途中」の段階にあると言えます。

進捗を確認する一次資料は、福岡市の天神ビッグバン公式ページです。 竣工棟数などの進捗数値は市が随時更新しているため、 引用や判断の際は数値の基準時点をあわせて確認することをおすすめします。

なお、再開発の進行が個別物件の価値上昇を保証するものではありません。 投資判断にあたっては、各ファンドの契約書面、物件条件、最新の公表情報をご確認ください。

まとめ

天神ビッグバンは、高さ制限の緩和と容積率のインセンティブによって民間ビルの建替えを誘導し、 オフィス・商業・ホテルなどの施設供給と街区構成を変えつつある都市更新プロジェクトです。 竣工85棟(2026年3月末時点)という進捗の一方、計画は2030年代まで続く見込みであり、 完成済みの施設と今後の計画を分けて確認することが現在地の理解につながります。

その影響を確認する際は、天神だけでなく、大名・薬院・中洲・博多の人流や供給状況も参考になります。 本記事の情報は市況理解の材料として使用し、実際の判断では契約書面と最新の公表情報をご確認ください。

Sources & References

出典・参考資料

  1. 福岡市/天神ビッグバンプロジェクト公式ページ
  2. 福岡市/博多コネクティッド公式ページ
  3. 国土交通省/地価公示令和6年(2024年)公式ページ
  4. 福岡市/経済動向・統計データ
  5. 厚生労働省/旅館業法(営業の種別・許可・構造設備/衛生基準)公式ページ
  6. 観光庁/民泊制度ポータルサイト(住宅宿泊事業法・年間180日制限)公式ページ

本記事中の数値・データは上記の公的資料・公表情報を元に整理しています。統計は時点により更新されるため、最新情報は各機関の公式発表をご確認ください。

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